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地震回顧

富岡 興一  南相馬市鹿島区

 私の実家は第一原発から約五キロメートル離れた双葉町です。あの地震以来、着の身着のままの避難生活を余儀なくされ、その後、五ヶ所移動した後今の借家に落ち着きました。地震による被害といえば門柱とお墓が倒れたぐらいで、家への被害は殆んどありませんでした。

 それだけに、家はちゃんと残っているのに帰るにかえられないジレンマに悩まされています。いつ帰れるかは全くわかりません。これからの生活設計に支障をきたしています。これまでの避難生活で痛感したことは、人の心の温かさでした。姉の知り合いの方や兄の知り合いの方々から、見ず知らずにもかかわらずお見舞いや身に着けるもの、そして、励ましの言葉をかけていただきました。これから同じような境遇に見舞われた方がいたら積極的に接していきたいと心から思うようになりました。一刻も早い廃炉と除染、それにライフラインの復旧を願わずにはいられないことと、この現実を再認識して頑張る覚悟です。


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