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まさか!

にゃんちゅう  双葉郡楢葉町

 その日、家族の無事を確認できたのが夜八時だった。停電と断水で家の中の片づけもできずカセットコンロで食事を作り、ロウソクの明かりの下で食べた。そして、家族の無事の喜びと共に就寝した。翌朝、屋内待機から一変して南方面へ避難という防災無線があり、毛布だけを積み込み、慌てていわき市方面へ車を走らせた。二、三日で帰宅できるとの思いで避難したが、それが「まさか!」であった。

 それからは、水、トイレ、ガソリンを求め避難所を転々とした。道の駅では早朝にもかかわらず炊き出しのカレーを食べることができた。温かいカレーを口にして、こみ上げる思いと共に、初めて自分達が原発事故による被災者になってしまったんだと認識させられた。この思いも「まさか!」であり、最大級の衝撃であった。事故から6ヶ月が過ぎてしまったが、一日も早く帰郷することができ、除染された環境下で平穏な生活に戻りたいものです。


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